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2024.12.12

茨木市の老人ホーム・高齢者施設の最新状況

老人ホームや高齢者施設の運営状況や特性などをエリア毎にご紹介してまいります。

今回は、「住みたい街(駅)ランキングで大阪1位になった彩都西駅」が注目を集めている「茨木市」についてご紹介します。

≪目次≫

1、茨木市の高齢者人口と高齢化率について
2、茨木市の老人ホーム・高齢者住宅等の運営状況
3、茨木市の特養・老健・介護医療院の運営状況
4、茨木市で最適な老人ホームを探すポイント
5、まとめ

茨木市の高齢者人口と高齢化率について

茨木市の令和6年度概況として発表されている総人口は285,729人です。この数字は大阪府下で8番目に多く、大阪府下でも比較的人口が多い自治体であると言えます。ちなみに北摂エリア内では4番目に人口が多いです。
このうち、65歳以上の高齢者が69,071人となっており、高齢者比率は24.2%となっています。
約4人に1人が65歳以上の高齢者となっており、今後も高齢化が進んでいくといえる状況です。

大阪府全体の高齢化率は令和6年10月時点で「27.1%」となっている事から、大阪府の他の地域よりも高齢者の比率がかなり低くなっており、若者や子育て世代が多い活気のある町であると言えるかもしれません。
※大阪府下では高齢化率が3番目に低い

ちなみに、令和6年1月時点で大阪府下で最も高齢化率が低いのが
吹田市:23.8%
となっており、逆に大阪府下で最も高齢化率が高いのが
豊能町:50.3%
となっています、人口が少ない事が大きく影響していると想定されますが、大阪府下でも過疎地ではすでに2人に1人が65歳以上の高齢者になっているというのは衝撃の事実だと感じます。

また、茨木市における65歳以上の「要介護認定者数(要支援1~要介護5の介護認定を受けた人数)」は、令和6年時点で:13,442人
となっており、高齢者全体の19.4%、つまり茨木市で暮らす65歳以上の高齢者のうち約5人に1人が介護認定を受けていることになります。この数字は他の自治体と比べるとかなり低い数字なっており、茨木市の高齢者は大阪府下の他の自治体よりも健康で自立した生活を送っている方が多いといえます。

大阪府下でも住みたいエリアとして人気の北摂エリア、その中でも近年人気が増している茨木市は、高齢者比率が低く自立した生活を送っている高齢者が多い地域であると言えそうです。

 

茨木市の老人ホーム・高齢者住宅等の運営状況

大阪府下で高齢化率が低く、また要介護認定を受けている高齢者が比較的少ない茨木市ですが、要介護者の受け皿となる民間の老人ホーム・高齢者住宅等の運営・設置状況がどうなっているのかを説明していきます。
※令和6年1月~11月に当社が独自に収集したデータを掲載しております、実際の数字とは多少の誤差がある可能性がありますがご了承ください

介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)

運営棟数:8棟
総居室数:590室
空室状況:高級施設も多いがほとんどが満室
プチ情報:北摂地域という事もあり基本料金が20万以上のホームがほとんどで、ある程度収入や貯蓄がある方しか入居検討が難しい。

住宅型有料老人ホーム

運営棟数:31棟
総居室数:1,339室
空室状況:低料金の施設もあるが満室の施設が多い、人気の無い施設は空室が複数ある
プチ情報:ここ数年で一気に運営棟数が増えており、低額施設や医療体制が整った施設も出てきている。

サービス付き高齢者向け住宅

運営棟数:20棟
総居室数:834室
空室状況:満室の施設と空室がある施設が半々程度
プチ情報:介護付きほどでは無いが、月額基本料金が15万以上の施設が多いので低予算の方が検討出来る施設は少ないと言える。自立(介護認定が無い)の方でも入居出来る施設が比較的多い。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

運営棟数:16棟
総居室数:240室
空室状況:空室は少なくほとんどの施設が満室
プチ情報:認知症の診断がある方しか入れない施設、また地域密着型サービスに該当するので大阪市のグループホームには大阪市に住民票の住所がある方しか入居出来ないというルールもある。運営棟数はサ高住よりも多いが居室数は少なくなっている、これは認知症グループホームが「ユニットケア」という形式でサービスを提供しており、1棟あたりの居室数が一般的に9室or18室or27室になっている事が要因となる。※稀に総居室数5室などの小規模なグループホームもある。

上記以外にも、有料老人ホームやサ高住の指定を受けていない「高齢者向け専用賃貸住宅」いわゆる高専賃や、介護保険では無く障がい支援サービスを利用される方向けの「障がいグループホーム」といった民間の高齢者施設も茨木市で多数運営されています。

茨木市の介護保険施設(特養・老健・介護医療院)の運営状況

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

運営棟数:10棟
入所定員:691名※多床室があるので入所可能人数で表記
空室状況:基本は満室で待機者が複数名以上いる施設がほとんど
プチ情報:10年ほど前までは、全国の特養の入居待機者が「50万人以上」と言われていましたが、直近では「25万人程度」とほぼ半減しています。これは2015年に、特養の入所要件が元々の「要介護1以上」から「原則要介護3以上」に変更された事、また民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅がここ10年で急増した事が大きな要因になっていると想定されます。
多くの方の認識として「特養は料金が安い」というものがあると思いますが、最近では一概に言えなくなっています。具体的には、新しい特養は多くが「ユニット型個室」というタイプの運営を行っています。結論から言うと、この場合民間の低額な有料老人ホーム等よりも特養の方が月額利用料が高額になるケースがありますのでご留意ください。

老健(介護老人保健施設)

運営棟数:6棟
入所定員:576名※多床室があるので入所可能人数で表記
空室状況:空室がある施設が多く特養と比較すると入所のハードルは低い
プチ情報:老健は月額費用負担が少なく、またリハビリを提供してくれる施設という事で人気が高いが、終身利用では無く3か月~6か月で原則退居になる施設である事を念頭に検討する必要がある。
※長期的に入所出来る老健もあるが、その場合はリハビリの提供はほとんど期待出来ない。
また「単価の高い薬を処方してもらえない」、「外部の医療機関を受診出来ない」といった入所後のトラブルも懸念されるので検討する際は注意が必要です。

介護医療院(元々は介護療養型医療施設)

運営棟数:0棟
入所定員:0名※多床室があるので入所可能人数で表記
空室状況:※該当施設無
プチ情報:他の公的介護施設と比較しても極端に運営棟数及び入所定員が少ない施設。基本的に総合病院等の医療機関に併設されている事が多い。重度の医療処置が必要な方でも対応出来る公的施設としてニーズがあると感じるが、療養型病院に近い印象もあり生活の場としては適していないとも感じる部分がある。※外部にあまり情報が出ないので実情が把握できていない施設でもあります。

 

茨木市で最適な老人ホームを探す方法

茨木市は、民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームだけでも合計で75施設、公的な介護保険施設が合計で16施設、民間と公的施設の合計で91棟が運営している大阪府下では比較的高齢者施設が少ない自治体となります
※総人口が3万人程度少ない「八尾市」が合計施設数155棟、総人口が5万人程度多い「高槻市」が合計施設数114棟

茨木市内には人口に対して老人ホームの数が不足しており、周辺エリアと比較しても空室が少なくまた高額料金が必要な施設が多い地域となります。すぐに老人ホーム入居を検討しない場合は、気に入った施設に申し込んで「入居待機」をする方法も考えられますが、退院期日が決まっている等の急ぎの場合は茨木市内で入居施設を探すのは難しい可能性があります。
そんな時に活用できるのが、新規オープン施設の情報やリアルな空室情報を確認出来る「老人ホーム紹介サービス」です。直近で老人ホーム探しを検討されている方は是非下記コラムもご参照ください。

別コラム:老人ホーム紹介サービスの特徴と3つの選ぶポイント

茨木市の施設探しワンポイントアドバイス

・空室が少ない施設が多いので、周辺エリア(高槻市、箕面市、吹田市、摂津市等)も可能であれば選択肢に入れましょう。

・毎月の費用負担を抑えたい場合、北摂エリア以外の地域も選択肢に入れましょう(大阪市や枚方市等)

・目先の希望条件だけで無く、看取りを含めた将来的な事も視野に入れて検討しましょう!

・施設毎に使える制度や受ける事が出来るサービスには差がある事、また特養等の公的施設にもメリットとデメリットがある事を踏まえて考えてみましょう!

・インターネットでは公開されていない情報がある事を理解し、自分で探すのが難しいと感じたら迷わず老人ホーム紹介サービスを活用しましょう!

まとめ

茨木市は大阪府下では高齢者比率が低く、また自立した高齢者が多い自治体になります。しかし、今後急速に高齢化が進む事も想定され、老人ホームの運営棟数が少ない事から希望する入居施設を見付けるのが難しい事も予測されます。周辺エリアの選択肢も考慮しつつ、最新の正しい情報を基に、失敗しない終の棲家探しをしていただければと思います。

 

≪著者情報≫

石津 和幸(イシヅ カズユキ)
opsol高齢者・ケア住宅紹介サービス代表

西日本で唯一、「老人ホーム探しの専門家」として大手新聞社主催のメディアサイトに登録されている、高齢者・ケア住宅探しのプロフェッショナル。
中立・誠実」を理念に掲げ、業界の健全化推進にも取り組んでいる。