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2024.12.09

東大阪市の老人ホーム・高齢者施設の最新状況

老人ホームや高齢者施設の運営状況や特性などをエリア毎にご紹介してまいります。

今回は、「ラグビーのまち&モノづくりのまち」としても有名な「東大阪市」についてご紹介します。

≪目次≫

1、東大阪市の高齢者人口と高齢化率について
2、東大阪市の老人ホーム・高齢者住宅等の運営状況
3、東大阪市の特養・老健・介護医療院の運営状況
4、東大阪市で最適な老人ホームを探すポイント
5、まとめ

東大阪市の高齢者人口と高齢化率について

東大阪市の令和6年度概況として発表されている総人口は477,684人です。この数字は政令指定都市である「大阪市と堺市」を除くと大阪府下で最も多く、名実ともに大阪第3の自治体と言えます。
このうち、65歳以上の高齢者が133,988人となっており、高齢者比率は28,0%となっています。
すでに4人に1人以上が65歳以上の高齢者となっており、急速に高齢化が進んでいるといえる状況です。

大阪府全体の高齢化率は令和6年10月時点で「27.1%」となっている事から、大阪府の他の地域よりも高齢者の比率が若干高くなっており、より高齢化が進んでいる地域であると言えます。

ちなみに、令和6年1月時点で大阪府下で最も高齢化率が低いのが
吹田市:23.8%
となっており、逆に大阪府下で最も高齢化率が高いのが
豊能町:50.3%
となっています、人口が少ない事が大きく影響していると想定されますが、大阪府下でも過疎地ではすでに2人に1人が65歳以上の高齢者になっているというのは衝撃の事実だと感じます。

また、東大阪市における65歳以上の「要介護認定者数(要支援1~要介護5の介護認定を受けた人数)」は
令和6年時点で:34,408人
となっており、高齢者全体の25.7%、つまり東大阪市で暮らす65歳以上の高齢者のうち4人に1人以上が介護認定を受けていることになります。

ラグビー人気やNHK朝ドラの舞台になった事で最近全国的にも注目されている東大阪市ですが、実は大阪府下でも高齢化が進んでいる地域であり、また自立した生活を送る事が難しい高齢者も多い地域である事が言えると思います。

 

東大阪市の老人ホーム・高齢者住宅等の運営状況

総人口及び高齢者人口が大阪府下で大阪市及び堺市に次いで多い「東大阪市」ですが、要介護者の受け皿となる民間の老人ホーム・高齢者住宅等の運営・設置状況がどうなっているのかを説明していきます。
※令和6年1月~11月に当社が独自に収集したデータを掲載しております、実際の数字とは多少の誤差がある可能性がありますがご了承ください

介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)

運営棟数:11棟
総居室数:536室
空室状況:満室の施設が多いが空室がある施設もあり
プチ情報:高齢者人口に対して介護付き有料老人ホームの運営棟数は非常に少なくなっている。※隣の八尾市が16棟運営、ただし総人口は東大阪がおよそ20万人も多い、、、
明確な理由は不明ですが、介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)は総量規制がある為、行政の考え方や方針が影響していると推察しています。

住宅型有料老人ホーム

運営棟数:103棟
総居室数:3,777室
空室状況:人気施設以外は基本的に空室がある施設が多い
プチ情報:介護付き有料老人ホームが他市と比較して少ない一方、住宅型有料老人ホームは大阪市と堺市を除いて大阪府下で最も多く運営されています。低額料金設定の施設や24時間看護師常駐の施設など特徴がある住宅型有料老人ホームも多く、また空室がある施設も比較的多い地域の為、老人ホームを探す方にとっては選択肢が多くより良い施設を選びやすい地域ともいえます。

サービス付き高齢者向け住宅

運営棟数:63棟
総居室数:2,114室
空室状況:空室がある施設が多い
プチ情報:住宅型と同様に、大阪市と堺市を除くと大阪府下で最も多く運営されている状況です。また大阪市と同様に、サービス付き高齢者向け住宅供給数で業界最大手のフジ・アメニティサービス(フジ住宅:本社は岸和田市)の運営施設比率が高く、東大阪市内のサ高住は約3棟に1棟がフジ・アメニティサービスが建築した物件になっています。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

運営棟数:43棟
総居室数:667室
空室状況:空室は少ない施設がほとんどで多くが満室
プチ情報:認知症の診断がある方しか入れない施設、また地域密着型サービスに該当するので大阪市のグループホームには大阪市に住民票の住所がある方しか入居出来ないというルールもある。運営棟数はサ高住よりも多いが居室数は少なくなっている、これは認知症グループホームが「ユニットケア」という形式でサービスを提供しており、1棟あたりの居室数が一般的に9室or18室or27室になっている事が要因となる。※稀に総居室数5室などの小規模なグループホームもある。
グループホームも大阪市・堺市に次ぐ運営棟数となる。

上記以外にも、有料老人ホームやサ高住の指定を受けていない「高齢者向け専用賃貸住宅」いわゆる高専賃や、介護保険では無く障がい支援サービスを利用される方向けの「障がいグループホーム」といった民間の高齢者施設も東大阪市で多数運営されています。

 

東大阪市の介護保険施設(特養・老健・介護医療院)の運営状況

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

運営棟数:32棟
入所定員:2,019名※多床室があるので入所可能人数で表記
空室状況:基本は満室で待機者が複数名以上いる施設がほとんど
プチ情報:10年ほど前までは、全国の特養の入居待機者が「50万人以上」と言われていましたが、直近では「25万人程度」とほぼ半減しています。これは2015年に、特養の入所要件が元々の「要介護1以上」から「原則要介護3以上」に変更された事、また民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅がここ10年で急増した事が大きな要因になっていると想定されます。
多くの方の認識として「特養は料金が安い」というものがあると思いますが、最近では一概に言えなくなっています。具体的には、新しい特養は多くが「ユニット型個室」というタイプの運営を行っています。結論から言うと、この場合民間の低額な有料老人ホーム等よりも特養の方が月額利用料が高額になるケースがありますのでご留意ください。

老健(介護老人保健施設)

運営棟数:12棟
入所定員:1,161名※多床室があるので入所可能人数で表記
空室状況:空室がある施設が多く特養と比較すると入所のハードルは低い
プチ情報:老健は月額費用負担が少なく、またリハビリを提供してくれる施設という事で人気が高いが、終身利用では無く3か月~6か月で原則退居になる施設である事を念頭に検討する必要がある。
※長期的に入所出来る老健もあるが、その場合はリハビリの提供はほとんど期待出来ない。
また「単価の高い薬を処方してもらえない」、「外部の医療機関を受診出来ない」といった入所後のトラブルも懸念されるので検討する際は注意が必要です。

介護医療院(元々は介護療養型医療施設)

運営棟数:1棟
入所定員:58名※多床室があるので入所可能人数で表記
空室状況:満床か空室が少ない印象が強いが、看取りの方も多いので定期的に空床は発生すると想定される。
プチ情報:他の公的介護施設と比較しても極端に運営棟数及び入所定員が少ない施設。基本的に総合病院等の医療機関に併設されている事が多い。重度の医療処置が必要な方でも対応出来る公的施設としてニーズがあると感じるが、療養型病院に近い印象もあり生活の場としては適していないとも感じる部分がある。※外部にあまり情報が出ないので実情が把握できていない施設でもあります。

 

東大阪市で最適な老人ホームを探す方法

東大阪市は、民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームだけでも合計で220施設、公的な介護保険施設が合計で45施設、民間と公的施設の合計で265棟が運営している大阪府下では政令指定都市を除くと最も高齢者施設が多い自治体となります
東大阪市内には多くの高齢者施設が密集しており、また周辺エリア(八尾市や平野区等)にも多くの高齢者施設があり、介護業界や老人ホームに詳しくない方が最適な選択肢を見極める事は容易ではありません。
そんな時に活用できるのが当サービス(opsol高齢者・ケア住宅紹介サービス)を含む老人ホーム紹介サービスです。直近で老人ホーム探しを検討されている方は是非下記コラムもご参照ください。

別コラム:老人ホーム紹介サービスの特徴と3つの選ぶポイント

東大阪市の施設探しワンポイントアドバイス

・希望エリアを拡げる事で選択肢を増やす事が出来る事を認識しましょう!※周辺エリア(八尾市や平野区、生野区、東成区、鶴見区等)も選択肢に加えるとより希望に合った選択肢が見つかる可能性が上がります。

・目先の希望条件だけで無く、看取りを含めた将来的な事も視野に入れて検討しましょう!

・施設毎に使える制度や受ける事が出来るサービスには差がある事、また特養等の公的施設にもメリットとデメリットがある事を踏まえて考えてみましょう!

・選択肢が非常に多くなるので、自分で探すのが難しいと感じたら迷わず老人ホーム紹介サービスを活用しましょう!

まとめ

東大阪市は政令指定都市を除くと大阪府下で最も多くの高齢者施設が乱立している自治体になります。今後も、急速に高齢者人口・高齢者施設が増えると想定される事もあり、ご自身やご家族に合った選択肢(老人ホーム等)を探すハードルが高い地域であるともいえます。最新の正しい情報を基に、失敗しない終の棲家探しをしていただければと思います。

 

≪著者情報≫

石津 和幸(イシヅ カズユキ)
opsol高齢者・ケア住宅紹介サービス代表

西日本で唯一、「老人ホーム探しの専門家」として大手新聞社主催のメディアサイトに登録されている、高齢者・ケア住宅探しのプロフェッショナル。
中立・誠実」を理念に掲げ、業界の健全化推進にも取り組んでいる。