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2024.12.05
大阪市の老人ホーム・高齢者施設の最新状況
老人ホームや高齢者施設の運営状況や特性などをエリア毎にご紹介してまいります。
今回は、大阪の中心地であり、またopsol高齢者・ケア住宅紹介サービスの本部事務所もある「大阪市」についてご紹介します。
≪目次≫
1、大阪市の高齢者人口と高齢化率について
2、大阪市の老人ホーム・高齢者住宅等の運営状況
3、大阪市の特養・老健・介護医療院の運営状況
4、大阪市で老人ホームを探すポイント
5、まとめ
大阪市の高齢者人口と高齢化率について
大阪市の令和6年11月1日時点での総人口は2,794,754人です。
このうち、65歳以上の高齢者が696,100人となっており、高齢者比率は24.9%となっています。
すでに約4人に1人が65歳以上の高齢者となっており、高齢化が進んでいるといえる状況です。
ただし、大阪府全体の高齢化率は令和6年10月時点で「27.1%」となっている事から、大阪府の他の地域よりは高齢者の比率が少ない、つまり若者や現役世代の比率が高いと言えます。
ちなみに、令和6年1月時点で大阪府下で最も高齢化率が低いのが
吹田市:23.8%
となっており、逆に大阪府下で最も高齢化率が高いのが
豊能町:50.3%
となっています、人口が少ない事が大きく影響していると想定されますが、大阪府下でも過疎地ではすでに2人に1人が65歳以上の高齢者になっているというのは衝撃の事実だと感じます。
また、大阪市における65歳以上の「要介護認定者数(要支援1~要介護5の介護認定を受けた人数)」は
令和6年3月末時点で:185,172人となっており、高齢者全体の26.6%、つまり大阪市で暮らす65歳以上の高齢者のうち4人に1人以上が介護認定を受けていることになります。
大都会のイメージが強い大阪市ですが、実は高齢化が急速に進んでおり、また自立した生活を送る事が難しい高齢者が非常に多いという事が言えると思います。
大阪市の老人ホーム・高齢者住宅等の運営状況
総人口及び高齢者人口が大阪府下で最も多い大阪市ですが、要介護者の受け皿となる民間の老人ホーム・高齢者住宅等の運営・設置状況がどうなっているのかを説明していきます。
※令和6年1月~11月に当社が独自に収集したデータを掲載しております、実際の数字とは多少の誤差がある可能性がありますがご了承ください
介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)
運営棟数:160棟
総居室数:10,310室
空室状況:満室の施設が多いが一部空室がある施設もあり
プチ情報:他の種類の老人ホームと比較すると「高額な料金が必要」な施設が多い。ただしここ数年で月額固定料金が11万円台の低額な介護付き有料老人ホームも出てきている。運営棟数及び総居室数が少ないので、基本的に空室は少ない傾向が強いと言える。
※大阪市は大阪府下で唯一「サービス付き高齢者向け住宅よりも介護付き有料老人ホームの方が運営棟数が多い地域」になります、これは恐らく、大阪府下でサービス付き高齢者向け住宅が直近10年以内で急増しているが、大阪市内は土地の値段が周辺エリアに比べて高額な事が理由で一気にサ高住が増えなかった事、また10年以上前から運営しているいわゆる高級有料老人ホームが他エリアよりも多い事が影響していると想定しています。
住宅型有料老人ホーム
運営棟数:316棟
総居室数:12,083室
空室状況:新規オープンが続いており空室がある施設も多い
プチ情報:ここ数年で急激に運営棟数が増えているのが住宅型有料老人ホーム、月額費用が比較的低料金な施設も多く、看護師を24時間配置(訪問看護事業所を併設)するような、いわゆるナーシングホームも多くが住宅型有料老人ホームとして運営している。ただし、最近オープンしている住宅型有料老人ホームは基本的に重症度が高い方を入居者として想定しており、居室の広さは13㎡~15㎡程度の狭めな設定になっている事が多い。また自立や要支援の方を受け入れる施設は少なく、最低でも要介護①の認定が無いと入居出来ない施設が非常に多い印象。
サービス付き高齢者向け住宅
運営棟数:151棟
総居室数:5,802室
空室状況:住宅型が急増している事もあり空室がある施設が増えている印象
プチ情報:数年前までは大阪府下全域でサービス付き高齢者向け住宅のオープンラッシュが続いたが、最近は上述した通り住宅型有料老人ホームの方が新規オープン棟数としては多くなっている。これは国からの助成金の制度が変わり、以前ほどサ高住を新規で建築するメリットが無くなった事が大きく関係していると考えられる。ただし、サービス付き高齢者向け住宅供給数で業界最大手のフジ・アメニティサービス(フジ住宅:本社は岸和田市)の出店は続いており、大阪市内のサ高住でも5棟に1棟はフジ・アメニティサービスが建築した物件になっている。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
運営棟数:239棟
総居室数:4,875室
空室状況:空室は少ない施設がほとんどで多くが満室
プチ情報:認知症の診断がある方しか入れない施設、また地域密着型サービスに該当するので大阪市のグループホームには大阪市に住民票の住所がある方しか入居出来ないというルールもある。運営棟数はサ高住よりも多いが居室数は少なくなっている、これは認知症グループホームが「ユニットケア」という形式でサービスを提供しており、1棟あたりの居室数が一般的に9室or18室or27室になっている事が要因となる。※稀に総居室数5室などの小規模なグループホームもある。
※大阪市内で最も民間の老人ホーム運営棟数が多いのは、、、
平野区:106棟
逆に最も運営棟数が少ないのは、、、
中央区:8棟
同じ大阪市内と言ってもこれだけ老人ホームの供給数に差があります!
上記以外にも、有料老人ホームやサ高住の指定を受けていない「高齢者向け専用賃貸住宅」いわゆる高専賃や、介護保険では無く障がい支援サービスを利用される方向けの「障がいグループホーム」といった民間の高齢者施設も大阪市で多数運営されています。
大阪市の介護保険施設(特養・老健・介護医療院)の運営状況
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
運営棟数:166棟
入所定員:14,200名※多床室があるので入所可能人数で表記
空室状況:基本は満室で待機者が複数名以上いる施設がほとんど
プチ情報:大阪市は高齢者人口が多い事もあり、特養の運営棟数も大阪府下で断トツに多くなっています。(大阪府下の総運営棟数が497棟なので、大阪府下の特養のうち3棟に1棟が大阪市で運営している計算になります。また10年ほど前までは、全国の特養の入居待機者が「50万人以上」と言われていましたが、直近では「25万人程度」とほぼ半減しています。これは2015年に、特養の入所要件が元々の「要介護1以上」から「原則要介護3以上」に変更された事、また民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅がここ10年で急増した事が大きな要因になっていると想定されます。
多くの方の認識として「特養は料金が安い」というものがあると思いますが、最近では一概に言えなくなっています。具体的には、新しい特養は多くが「ユニット型個室」というタイプの運営を行っています。結論から言うと、この場合民間の低額な有料老人ホーム等よりも特養の方が月額利用料が高額になるケースがありますのでご留意ください。
老健(介護老人保健施設)
運営棟数:82棟
入所定員:7,900名※多床室があるので入所可能人数で表記
空室状況:空室がある施設が多く特養と比較すると入所のハードルは低い
プチ情報:老健は月額費用負担が少なく、またリハビリを提供してくれる施設という事で人気が高いが、終身利用では無く3か月~6か月で原則退居になる施設である事を念頭に検討する必要がある。
※長期的に入所出来る老健もあるが、その場合はリハビリの提供はほとんど期待出来ない。
また「単価の高い薬を処方してもらえない」、「外部の医療機関を受診出来ない」といった入所後のトラブルも懸念されるので検討する際は注意が必要です。
介護医療院(元々は介護療養型医療施設)
運営棟数:5棟
入所定員:173名※多床室があるので入所可能人数で表記
空室状況:満床か空室が少ない印象が強いが、看取りの方も多いので定期的に空床は発生すると想定される。
プチ情報:他の公的介護施設と比較しても極端に運営棟数及び入所定員が少ない施設。基本的に総合病院等の医療機関に併設されている事が多い。重度の医療処置が必要な方でも対応出来る公的施設としてニーズがあると感じるが、療養型病院に近い印象もあり生活の場としては適していないとも感じる部分がある。※外部にあまり情報が出ないので実情が把握できていない施設でもあります。
大阪市は、大阪府下でも圧倒的に「公的介護施設(特養・老健・介護医療院)」の供給数が多い自治体になります。特に特別養護老人ホームの運営棟数が他市に比べ圧倒的に多いですが、空室はほぼ無く待機者が多い特養も多い印象です。これは恐らく、特養がグループホームのような地域密着型サービスでは無く、他市の人でも入居が可能な施設である事が関係していると推察されます。大阪市の特養は便利な立地で運営している場合も多く、交通の便が良く、また有名な総合病院なども多い事から、大阪市の周辺エリアや大阪市に家族がいる他府県の方も多く大阪市の特養に入居されているからであろうと想定されます。
大阪市で最適な老人ホームを探す方法
大阪市は、民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームだけでも合計で866施設、公的な介護保険施設が合計で253施設、民間と公的施設の合計で1100棟以上が運営している全国でも極めて高齢者施設が多い自治体であると言えます。
これだけ多くの選択肢がある中で、ご自身・ご家族に合った最適な老人ホームを探す事は極めて難しい事であると言えます。
そんな時に活用できるのが当サービス(opsol高齢者・ケア住宅紹介サービス)を含む老人ホーム紹介サービスです。直近で老人ホーム探しを検討されている方は是非下記コラムもご参照ください。
大阪市の施設探しワンポイントアドバイス
・希望エリアを拡げる事で選択肢を増やす事が出来る事を認識しましょう!
・目先の希望条件だけで無く、看取りを含めた将来的な事も視野に入れて検討しましょう!
・施設毎に使える制度や受ける事が出来るサービスには差がある事、また特養等の公的施設にもメリットとデメリットがある事を踏まえて考えてみましょう!
・選択肢が非常に多くなるので、自分で探すのが難しいと感じたら迷わず老人ホーム紹介サービスを活用しましょう!
まとめ
大阪市は大阪府下で最も多くの高齢者施設が運営している自治体になります。今後も、人口・高齢者人口・高齢者施設が増えると想定される事もあり、ご自身やご家族に合った選択肢(老人ホーム等)を探すハードルが高い地域であるともいえます。最新の正しい情報を基に、失敗しない終の棲家探しをしていただければと思います。
≪著者情報≫
石津 和幸(イシヅ カズユキ)
opsol高齢者・ケア住宅紹介サービス代表西日本で唯一、「老人ホーム探しの専門家」として大手新聞社主催のメディアサイトに登録されている、高齢者・ケア住宅探しのプロフェッショナル。
「中立・誠実」を理念に掲げ、業界の健全化推進にも取り組んでいる。